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Q.全権委任状、全権委員、外務公務員法について教えて下さい。

Q.全権委任状、全権委員、外務公務員法について教えて下さい。


▼全権委任状 pleins pouvoirs(full powers)

全権委任状とは、国(国家)を代表して外交交渉、特に国際条約締結に携わる者(交渉代表)が、そのための権限を持つことを公に証明する、政府又は国家元首からの署名捺印がある公文書のことです。
日本国では、外務大臣が発給する署名委任状等と、内閣の助言・承認により天皇が認証する全権委任状が、所謂全権委任状に該当します。
二国間の交渉の場合は、全権委任状が有効妥当であることを確かめるため、交渉開始直前に全権委任状の交換が実施されます。
また、多数国間条約の締結の場合は、通常、国際会議開催直前に、特別委員会において、各国全権委任状が有効妥当であるか、共同審査されることとなっています。

▼全権委任状事例~岩倉使節団~

1871年~1873年(明治4年~明治6年)に、条約改正の予備交渉や欧米の制度や文物の視察のため、明治政府に属する岩倉具視(特命全権大使=外交使節の最上級の位)、木戸孝允、大久保利通、伊藤博文をはじめとする岩倉使節団は欧米へと出発しました。
当時の日本は、国際外交のルールを知らず、岩倉具視の「特命全権大使」が、誰から与えられた権限なのか、明確にわからない(=使節条約を取極むるの権なしと云ふことに付、難事あり)とフィッシュ国務長官も言われ、副使である大久保利通と伊藤博文に日本まで、国家元首である天皇が国家の代表として交付した外交公文書である全権委任状(国書御委任状)を取りに行かせた(=外交交渉を行う全面的な権限を付与)ことがあります。

▼全権委員

全権委員は、外務公務員法で次のように定められています。
「全権委員」とは、日本国政府を代表して、特定の目的をもつて外国政府と交渉し、又は国際会議に参加し、且つ、条約に署名調印する権限を付与された者をいう。
日本において全権委員は、特別職の国家公務員かつ外務公務員に該当し、外務大臣の申し出により、内閣が任命することとなっています。また、国会議員を任命することも可能です。
尚、類似する名称として、特命全権大使及び特命全権公使は、全権委員の資格を保有しており、条約に署名調印する権限を保有していますが、政府代表は、全権委員の資格を保有しておらず、条約に署名調印することはでないという違いがあります。

▼全権代理

全権代理は、一定事項又は一定期間、正式全権を代理する権限のある者。
そのため、国際会議での発言権もあり、採決や署名に加わることも可能で、オブザーバーとは異なります。



外務公務員法

(昭和二十七年三月三十一日法律第四十一号)最終改正:平成一九年七月六日法律第一〇八号

第一章 総則

(この法律の目的)
第一条
 この法律は、外務公務員の職務と責任の特殊性に基づき、外務公務員の標準的な官職、任免、給与、人事評価、能率、保障、服務等に関し国家公務員法 (昭和二十二年法律第百二十号)の特例その他必要な事項を定め、あわせて名誉総領事及び名誉領事並びに外務省に勤務する外国人の任用について規定することを目的とする。
(外務公務員の定義)
第二条
 この法律において「外務公務員」とは、左に掲げる者をいう。
一  特命全権大使(以下「大使」という。)
二  特命全権公使(以下「公使」という。)
三  特派大使
四  政府代表
五  全権委員
六  政府代表又は全権委員の代理並びに特派大使、政府代表又は全権委員の顧問及び随員
七  外務職員
2  この法律において「特派大使」とは、日本国政府を代表して、外国における重要な儀式への参列その他臨時の重要な任務を処理するため、外国に派遣される者をいう。
3  この法律において「政府代表」とは、日本国政府を代表して、特定の目的をもつて外国政府と交渉し、又は国際会議若しくは国際機関に参加し、若しくはこれにおいて行動する権限を付与された者をいう。
4  この法律において「全権委員」とは、日本国政府を代表して、特定の目的をもつて外国政府と交渉し、又は国際会議に参加し、且つ、条約に署名調印する権限を付与された者をいう。
5  この法律において「外務職員」とは、外務省本省に勤務する一般職の国家公務員のうち外交領事事務(これと直接関連する業務を含む。)及びその一般的補助業務に従事する者で外務省令で定めるもの並びに在外公館に勤務するすべての一般職の国家公務員をいう。
(外務職員に対する国家公務員法 等の適用)
第三条
 国家公務員法 並びにこれに基く法令の規定は、この法律にその特例を定める場合を除く外、外務職員に関して適用があるものとする。
(特別職の外務公務員に対する国家公務員法 の準用等)
第四条
 国家公務員法第九十六条第一項 、第九十八条第一項、第九十九条並びに第百条第一項及び第二項の規定は、外務職員以外の外務公務員に準用する。この場合において、国家公務員法第九十六条第一項 、第九十八条第一項、第九十九条及び第百条第一項中「職員」とあるのは「外務職員以外の外務公務員」と、第百条第二項中「所轄庁の長(退職者については、その退職した官職又はこれに相当する官職の所轄庁の長)」とあるのは「外務大臣」と読み替えるものとする。
2  前項に定めるものを除く外、外務職員以外の外務公務員の任免その他の身分上の事項及び服務に関する事項については、この法律の定めるところによる。

第二章 標準的な官職

(外務職員の標準職務遂行能力及び標準的な官職)
第五条
 国家公務員法第三十四条第一項第五号 に規定する標準職務遂行能力は、外務職員については、外務大臣が定めるものとする。
2  国家公務員法第三十四条第二項 に規定する標準的な官職は、外務職員については、外務省令で定める。
(外務職員の公の名称)
第六条
 外務職員(外務事務次官を除く。)は、組織上の名称の外、公の便宜のために国際慣行に従い用いる公の名称として、参事官、一等書記官、二等書記官、三等書記官及び外交官補、総領事、領事、副領事及び領事官補並びに一等理事官、二等理事官、三等理事官、副理事官及び外務書記という名称を用いることができる。
2  外務大臣は、公の便宜のために国際慣行に従い特に必要と認める場合には、外務職員に対し、前項に掲げる公の名称以外の公の名称を用いさせることができる。
3  前二項に定めるものを除く外、公の名称に関し必要な事項は、外務省令で定める。

第三章 任免

(外務公務員の欠格事由)
第七条
 国家公務員法第三十八条 の規定に該当する場合のほか、国籍を有しない者又は外国の国籍を有する者は、外務公務員となることができない。
2  外務公務員は、前項の規定により外務公務員となることができなくなつたときは、当然失職する。
(特別職の外務公務員の任免)
第八条
 大使及び公使の任免は、外務大臣の申出により内閣が行い、天皇がこれを認証する。
2  第二条第一項第三号から第六号までに掲げる外務公務員の任免は、外務大臣の申出により内閣が行う。
3  前項の外務公務員については、国会議員のうちから、任命することができる。
4  前二項の外務公務員は、その任務を終了したときは、解任されるものとする。
(信任状等の認証)
第九条
 大使及び公使の信任状及び解任状、外国における重要な儀式への参列に際し特派大使に携行させる信任状、全権委任状並びに領事官の委任状は、天皇がこれを認証する。
(選考による外務職員の任命)
第十条
 外務大臣は、もつぱら財務、商務、農務、労働等に関する外交領事事務又は特別の技術を必要とする外交領事事務に従事させるためその他特に必要がある場合には、外務省令で定めるところにより、選考によつて外務職員を任命することができる。
第十一条  削除
(大使及び公使の待命)
第十二条
 在外公館の長たる大使及び公使その他在外公館に勤務する大使及び公使は、その在外公館に勤務することを免ぜられたときは、新たに在外公館に勤務することを命ぜられるまでの間、待命となる。
2  待命の大使又は公使は、その待命の期間が一年を経過するときは、その職を免ぜられる。
3  待命の大使又は公使は、特別の必要がある場合には、臨時に、第二条第一項第三号から第六号までに掲げる者の任務又はこれらに準ずる任務(以下「特派大使等の任務」という。)その他外務省本省の事務に従事させることができる。
4  待命の大使又は公使は、前項の規定により特派大使等の任務に従事している間にその待命の期間が一年を経過するに至つた場合には、第二項の規定にかかわらず、その任務を終了するまでの間は、その職を免ぜられない。
5  待命の大使又は公使には、第三項の規定により臨時に特派大使等の任務その他外務省本省の事務に従事する場合を除くほか、待命の期間中、俸給及び地域手当のそれぞれ百分の八十を支給するものとする。
6  第二項から前項までに規定する場合を除くほか、待命の大使又は公使は、この法律の適用については、待命でない大使又は公使と異なることはない。

第四章 給与

(在外公館に勤務する外務公務員の給与)
第十三条
 在外公館に勤務する外務公務員の給与は、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律 (昭和二十七年法律第九十三号)に基いて支給するものとする。

第五章 人事評価及び能率

(人事評価)
第十四条
 外務職員の人事評価の基準及び方法に関する事項その他人事評価に関し必要な事項は、外務省令で定める。
(研修)
第十五条
 外務大臣は、外務省令で定めるところにより、外務職員に、政令で定める文教研修施設又は外国を含むその他の場所で研修を受ける機会を与えなければならない。
(査察)
第十六条
 外務大臣は、在外公館の事務が適正に行われているかどうかを査察させるため、外務公務員のうち適当と認める者を査察使として派遣することができる。
2  査察使は、査察の結果を遅滞なく外務大臣に文書で報告しなければならない。
3  外務大臣は、前項の報告を受けたときは、その報告に基き必要と認める措置を執らなければならない。
4  前三項に定めるものを除く外、査察に関し必要な事項は、外務省令で定める。

第六章 保障

(勤務条件に関する行政措置の要求)
第十七条
 外務職員は、勤務条件に関し、外務大臣により適当な行政上の措置が行われることを要求しようとするときは、国家公務員法第八十六条 の規定にかかわらず、審議会等(国家行政組織法 (昭和二十三年法律第百二十号)第八条 に規定する機関をいう。)で政令で定めるもの(以下「審議会」という。)に対して要求しなければならない。
2  国家公務員法第八十七条 及び第八十八条 の規定は、前項の要求に係る事案の審査及び判定並びにその結果執るべき措置に準用する。この場合において、同法第八十七条 中「前条」とあるのは「外務公務員法第十七条第一項」と、「人事院」とあるのは「同項に規定する審議会」と、「職員」とあるのは「外務職員」と、同法第八十八条中「人事院」とあるのは「外務公務員法第十七条第一項に規定する審議会」と、「その権限に属する事項については、自らこれを実行し、その他の事項については、内閣総理大臣又はその職員の所轄庁の長に対し、」とあるのは「外務大臣に対し、」と読み替えるものとする。
3  前二項に定めるものを除く外、勤務条件に関する行政措置の要求に関する審査の手続に関し必要な事項は、政令で定める。
第十八条  外務職員は、前条の規定による審議会の判定に対し不服があるときは、人事院に対し、再審査を要求することができる。
2  国家公務員法第八十七条 及び第八十八条 の規定は、前項の要求に係る事案の審査及び判定並びにその結果執るべき措置に準用する。この場合において、同法第八十七条 中「前条」とあるのは「外務公務員法第十八条第一項」と、「職員」とあるのは「外務職員」と、同法第八十八条中「その権限に属する事項については、自らこれを実行し、その他の事項については、内閣総理大臣又はその職員の所轄庁の長に対し、」とあるのは「外務大臣に対し、」と読み替えるものとする。
(懲戒処分についての不服申立て)
第十九条
 外務職員が外交機密の漏えいによつて国家の重大な利益をき損したという理由で懲戒処分を受けた場合におけるその処分についての行政不服審査法 (昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立ては、国家公務員法第九十条第一項 の規定にかかわらず、外務大臣に対してしなければならない。
2  前項の処分については、国家公務員法第八十九条第三項 中「人事院」とあるのは、「外務大臣」と読み替えるものとする。
3  国家公務員法第九十条第三項 及び第九十条の二 の規定は、第一項に規定する不服申立てについて準用する。
第二十条  外務大臣は、前条第一項の処分についての不服申立てを受理したときは、これを却下する場合を除き、直ちにその事案を審議会の調査に付さなければならない。
2  審議会は、前項の規定に基いて事案を調査する場合において、処分を受けた外務職員の請求があつたときは、口頭審理を行わなければならない。
3  口頭審理は、非公開とする。
4  処分を受けた外務職員は、すべての口頭審理に出席し、陳述を行い、証人を出席させ、並びに書類、記録その他のあらゆる適切な事実及び資料を提出することができる。
5  前条第一項の処分についての不服申立てに対する決定又は裁決は、審議会の調査の結果に基づいてしなければならない。
6  外務大臣は、前条第一項の処分の全部又は一部を取り消し、又は変更したときは、その処分によつて当該外務職員が失つた給与の弁済をしなければならない。
第二十一条  前二条に定めるものを除く外、懲戒処分についての不服申立ての手続に関し必要な事項は、政令で定める。
(不服申立てと訴訟との関係)
第二十二条
 第十九条第一項の処分の取消しの訴えは、当該処分についての異議申立て又は審査請求に対する外務大臣の決定又は裁決を経た後でなければ、提起することができない。

第七章 服務

(休暇帰国)
第二十三条
 外務大臣は、在外公館に勤務する外務公務員のうち一又は二以上の在外公館に引き続き勤務する期間(不健康地その他これに類する地域で外務大臣が指定するものにある在外公館にあつては、勤務する期間一月につき一月を加算した期間)が三年をこえる者に対し、三年につき一回、二月以内の期間(勤務地と本邦との間を往復するに要する期間を除く。)の休暇のための帰国(以下「休暇帰国」という。)を許すことができる。
2  特別の事情がある場合には、休暇帰国の期間は、前項に定める期間に二月以内の期間を加えたものとすることができる。
3  第一項の休暇は、有給休暇とする。
4  前三項に定めるものを除く外、休暇帰国に関し必要な事項は、外務省令で定める。

第八章 名誉総領事及び名誉領事並びに外国人の任用

(名誉総領事及び名誉領事の任命)
第二十四条
 外務大臣は、審議会の意見を聞いて、名誉総領事又は名誉領事を任命することができる。
(外国人の採用)
第二十五条
 外務大臣は、審議会の意見を聞いて、外務省本省に勤務する外国人を採用することができる。
2  在外公館の長は、外務大臣の許可を得て、当該在外公館に勤務する外国人を採用することができる。

第九章 雑則

(政令及び外務省令)
第二十六条
 外務大臣は、第十七条第三項及び第二十一条の規定に基づく政令案の立案並びに第五条第二項、第十条、第十四条、第十五条、第十六条第四項及び第二十三条第四項の規定による外務省令の制定又は改廃を行うときは、あらかじめ審議会の議に付し、その意見に基づいてこれをしなければならない。
(罰則)
第二十七条
 第四条において準用する国家公務員法第百条第一項 又は第二項 の規定に違反して秘密を漏らした者及びこれらの項の規定に違反する行為を企て、命じ、故意にこれを容認し、そそのかし、又はそのほう助をした者は、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
(国外犯罪)
第二十八条
 国家公務員法 中外務職員に関して適用される罰則の規定及び前条の規定は、国外において当該各条に掲げるいずれかの罪を犯した者にも適用する。





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